絶望に効くクスリ 5―ONE ON ONE (5)
友人から富野由悠季氏の回の話を聞いて気になっていたマンガ。少年誌と青年誌はあんまり読まないので知らないのだ…。
出版社 / 著者からの内容紹介
1日平均86人が自殺すると言われる日本。この国で、希望はいったいどこにある…? 漫画家・山田玲司が体を張ってオンリーワンな人々に訊く、悪夢な時代の歩き方!!
既刊は1〜5巻。富野さんが出ているので、5巻を最初に読みました。このマンガいい! 書き手の山田玲司さんは『ゼブラーマン』を書いた人だそうですが、すごいとんがっているのね。で、まじめなとんがり青年(つっても年上だが)が直球勝負で対談しているので、重みのある言葉が胸にささってきます。わたしなんかが読むと、勇気づけられてしまいますね(というか、ヲレこのままでいいじゃんと開き直ってしまう)。
5巻のラインナップは以下の通り:
第39夜:アニメーション監督・作家・小説家 富野由悠季
富野さんの人間性がよく伝わってくる。商業アニメと、作り手の葛藤。大鬱を経て今、テレビ屋稼業に戻ってきた富野さん。重い話だけど、読後はさわやか。
第40夜:自殺防止センター創設者 西原由記子
わたしにできること、あるんじゃないかな。そんな風に思った1本。
辛い苦しい人、心の内を察して支援してあげることって、できる人にしかできないんだよね。共感能力について考えていたところだったので、我が身を振り返ってしまいました。
第41夜:チェリーベイブ社長・ヨーガインストラクター 千葉麗子
この人の経歴、なんでこんなんなのやろと不思議に思っていたのだけど、謎が解けてすっきり。頑張る人なんだね。子育ての苦しみで鬱になる話、身近な人を思いだして思わずメールしてしまいました。みんながんばれ。
第42夜:数学者・哲学者 森毅
ああ、わたしこんな風になりたいわと思った人。動じず、いつでも物事を俯瞰している感じ。数学と哲学って、同じ潮流にあるのだなぁ。
第43夜:心理学者・東京心理コンサルティング代表 伊東明
秀才である故の苦悩、非モテ。ヤラハタ。ホワイトカラーの道を捨てて、今はコミュニケーションの伝道師として不況に励む毎日。会ってみたい人。
#ヤラハタ=やらずに二十歳。初めて知ったよ。
第44夜:戦場カメラマン 渡部陽一
戦場の日常を切り取る人。イラクの人が家族を大事にする風景とか。こういう経験をいとわない人って感覚が特殊な気がする、とてもまねできない。
第45夜:元衆議院議員・NPOコーディネーター 辻本清美
わたしこの人のこと誤解していた。すごくオモロイ、あほなイイヒトじゃん!(単純すぎる?)。でも知らないで一面評価するよりも、知る方がいいよね。今は今まであったことにひどく傷ついて、疲れている様子。また是非とんがっていただきたい!
第46夜:F1ドライバー 佐藤琢磨
この人の存在を初めて知りました(スポーツ情報音痴)。すごい人が世の中にはいるもんだね。英才教育を受けてきたライバル達を退けてF1ドライバーになった人。
第47夜:作家 重松清
元編集者、ライター稼業を経て作家。『ビフォア・ラン』『ナイフ』『エイジ』『ビタミンF』など。苦労を見せないよき父。今度読んでみよう。
第48夜:コンビンサー・トキワ精神保健事務所代表 押川剛
コンビンサー(説得のプロ)という職業を初めて知った。引きこもり(30年も前からある言葉らしい)の家族や友人の依頼を受けて、本人が病気であることを説得し、病院に連れていく人。いろんな家族を見てきたであろうこの人、あたまが下がります。クリスマスが一番忙しいらしいよ(次はバレンタイン)。
第49夜:木版画家 デービッド・ブル
日本の版画を愛し、名作を復刻しているひと。日本の若者は価値がわからないので、ヤフオクに安く出してしまうそうです。こういうことは日本人がやらんとあかんよなぁ。。。(わたしにはできないけど)。川沿いのアトリエ、すてきそう。